アーユルヴェーダとは

アーユルヴェーダとは、サンスクリット語のアーユス(Ayus/生命)とヴェーダ(Veda/科学)を組み合わせた「生命科学」という意味で、五千年以上の歴史をもつインド発祥の伝統医療です。 「アーユルヴェーダとは、生命に何が有益で何が不益か、幸福な人生と不幸な人生とは何か、何が生命にとって良いか悪いか、何が長命を招き何が短命を招くか、を述解する学問」と定義されています。

 

アーユルヴェーダと西洋医学の原理は全く異なります。
西洋医学では患者を治療の対象として診ます。患部を手術や医薬品により取り除く方法を選びます。西洋医学における薬の役割とは、患部の代謝を変え症状を抑えることです。患者の抱えている症状の改善を目的とするため、薬を使い続けなくてはなりません。副作用の問題は看過します。
アーユルヴェーダでは、患者を自然の一部とみます。アーユルヴェーダの考える薬の役割とは、ドーシャの乱れによって起こる異変や炎症から、組織を守ることです。患者の病気の原因を根本的に取り除くことを目的としています。

 

ドーシャってなに?

アーユルヴェーダの最も重要な概念はトリ・ドーシャ理論です(トリ=3、ドーシャ=性質・エネルギー)。ヴァータ(Vata・風)、ピッタ(Pitta・火)、カパ(Kapha・水)と呼ぶ三つの生命原理が生命現象と病気を支配する要素であると考えます。
ドーシャは語源的に、祟り、過ち、不純物を意味します。ドーシャのバランスが崩れると病気になり、調和した状態を健康と考えます。

  1. すべての細胞、組織、器官に存在し、生命活動を制御する
  2. 変動様式を指標として、病気の診断と治療を行う
  3. 調和=健康、不均衡=病気とする

 

3つのドーシャのはたらき

ヴァータ(Vata・風・空)|運搬・移動・伝達など『動かす』働き

私たちの体や心を動かし、活動的にするエネルギー。身体的な活動だけではなく、呼吸や血流、心拍などの体内の働き、心の面、思想や感覚にも動きがあり、アイデアやひらめきなど脳からシグナルを送ることもヴァータの働きによるものです。

 

ピッタ(Pitta・火・水)|消化・代謝など『変換』させる働き

紙を燃やすと灰になり、木を燃やすと炭になるように、火のエネルギーは、物質を変換させます。私たちの身体の中では、食物から栄養を摂りエネルギーに変換され、組織や細胞をつくります。そして体内で食物は栄養素に変換され、老廃物になります。この働きはピッタのエネルギーによって起こるものです。

 

カパ(Kapha・水・土)|固める・融合するなど『結合』する働き

カパは水と地のエネルギーです。大地に水を染み込ませると固い粘土質になるように、カパのエネルギーが、私たちの命を安定させる働きをします。

私たちの体内の組織を結合させる働きにより生命を維持し、大地が水を染み込ませるような受容する精神の働きをもたらし、人に対して安定した関係を育むような穏やかな性質をもちます。

 


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著者:高橋由紀 Yuki Takahashi

株式会社ベビーヨガアソシエイトCEO・一般社団法人ボディセンス・インスティテュート代表理事。
1995年、自身の体質改善のためヨガを始め、病を克服。ヨガ指導歴20年以上。3児の母。日本におけるベビーヨガの第一人者として活躍。

現在は、Baby Yoga®、骨盤調整ヨガ®、RODY YOGA®などを始めとする赤ちゃんからシニアまでの各種ヨガプログラムの指導者育成を行う。2008年より現在までに、海外を含む日本全国に1,000人以上のヨガ指導者を育成。大学や研究機関との研究活動のほか、全国での講演活動、書籍やDVDの出版、メディア出演など多数。