ヨガにおけるクリヤー・浄化法とは
ハタ・ヨガでは、クリヤーと呼ばれる数多くの行法があります。
「身体を浄化(クリヤー)する」ことで、ドーシャのバランスを整え健康になるために考え出された行法です。
「ドーシャ(※詳しくはこちら)」とは、インドのアーユルヴェーダに分類される3つの性質・エネルギーのこと。
アーユルヴェーダとは、肉体と魂(意識)が深く関っているとするインドで古くから伝承されてきた伝統医学で、人間のエネルギー要素を3つの元素(火・風・水)にわけて、心身に影響を及ぼすものとして考えられている。
ハタ・ヨーガでは、6つのクリヤーが古くから行われてきましたが、そのうち一般的に行われるのは、次の4つです。
1.カパーラ・パーティー:脳が輝く呼吸法
2.キャンドルの凝視:目の浄化
3.食塩水による鼻の洗浄法:鼻の浄化
4.腹部の攪拌:腹部の浄化
残りのふたつは、
5.水か細い布切れで胃腸を洗浄するダウティーという行法
6.水か空気で大腸を洗浄するヴァスティという行法
いずれも専門家のもと行わなければ危険を伴うので、一般的なヨガクラスでは、行いません。ヴァスティ(大腸の浄化)は「腸内洗浄」の起源。アーユルヴェーダのリトリートなどでも、まず腸洗浄から行うことが多いです。
このようにヨガは、単なるエクササイズではありません。
人が健やかに生きていくためには、心と身体に蓄積した不純物を取り除き、清浄化するということを実践するものなのです。
白湯・足湯
浄化法を毎日手軽に行う方法として、「白湯・足湯」をおすすめします。
朝の時間は、オージャス(いきいきと活力に道たエネルギー)に満ちふれていて、自然の恵や心の広がりが感じられる、ヨガの練習にはいちばんむいているときです。
少しだけ早起きをして、自分だけの時間をもつことで、これから始まる1日を清々しく迎えることができます。
洗面や排泄を済ませて、足湯の準備をしましょう。
おすすめは「キッチン足湯」我が家では、キッチンの給湯温度を43度に設定、くるぶしが浸かるくらいの深さのお湯を準備し、白湯を沸かしている間(15分ほど)に足湯をします。疲れている時などは、ふくらはぎまで浸かるようにするとより効果的です。
「白湯」は、できれば15分以上、火にかけて沸かします。
アーユルヴェーダのドーシャの考えに同じく、太陽が水を温め、温まった水が大地を潤す雨になるのと同じように、汲んだ水に火を入れることで、生きた水に活性してから取り込みます。
余談ですが、私は、2019年に、東京から富山に移住しました。
東京に住んでいた頃は、毎日のように大量のミネラルウォーターを消費していましたが、今では、近くに湧水を汲みに行き、そのお水を飲用したり、料理をしたりして暮らしています。
近くに湧水がある暮らしは、なんて豊かなのだろうと毎日感じます。
また、毎日大量のペットボトルを捨てる暮らしに罪悪感を感じていたことも、東京を離れた理由の一つでした。
ヨガは、心と身体を健康に保つための古くからの知恵が凝縮された、優れた民間療法であり、自己鍛錬法(修行)であり、自分を知り、自らの世界を広げていくのに有効です。
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著者:高橋由紀 Yuki Takahashi 株式会社ベビーヨガアソシエイトCEO・一般社団法人ボディセンス・インスティテュート代表理事。 現在は、Baby Yoga®、骨盤調整ヨガ®、RODY YOGA®などを始めとする赤ちゃんからシニアまでの各種ヨガプログラムの指導者育成を行う。2008年より現在までに、海外を含む日本全国に1,000人以上のヨガ指導者を育成。大学や研究機関との研究活動のほか、全国での講演活動、書籍やDVDの出版、メディア出演など多数。 |