[開催報告]心の変化に寄り添う「マタニティブルーと産後クライシス」

一般社団法人ボディセンス・インスティテュートは、2025年7月13日(日)、トヨタモビリティ富山 魚津にて「第9回 企業主導型両親学級」を開催いたしました。

今回のテーマは「マタニティブルーと産後クライシス」。
前半は、一般社団法人ボディセンス・インスティテュート 公認インストラクター曳田彩加が、産前産後の養生法赤ちゃんの抱っこや遊びについてレクチャー。
後半は、助産師 大角絵美先生より産前産後の身体に起こる心身の変化について講義を行っていただきました。

また、今回から、富山短期大学の学生にボランティアスタッフとしてご参加いただく機会を創出しました。
子育て中のパパママや赤ちゃんとふれあう体験や、講座への参加を通じて、ご自身の将来への希望や夢につながる“きっかけ”になればと願い、募集を開始しました。
参加された学生さんからは、「赤ちゃんや子育てに対するイメージが、“大変そう”から“楽しそう”に変わった」といった感想も寄せられました。
少子化が進む中、「子育ては大変そう」とマイナスイメージを持つ若者が増えています。
だからこそ、このような実体験を通して、「子育ては楽しそう」「赤ちゃんは可愛い」といった前向きなイメージを持っていただける機会を、今後も積極的に創出していきます。

開催概要

[日 時]2025年 7月13日(日)10:30~12:00
[会 場]トヨタモビリティ富山 魚津(魚津市本江1063)
[対 象]妊娠4ヶ月~10ヶ月/生後2ヶ月~1歳くらいまでのパパママ&赤ちゃんとご家族
[参加費]無料
[内 容]
前半:「妊娠中・産後の養生法、赤ちゃんの抱き方と遊び」
講師:一般社団法人ボディセンス・インスティテュート 公認インストラクター 曳田彩加

後半:「マタニティブルーと産後クライシス」
講師:助産師 大角絵美

赤ちゃんの抱き方

前半は、一般社団法人ボディセンス・インスティテュート公認インストラクター・曳田彩加による赤ちゃんの抱き方・産前産後の養生法についてのレクチャーを行いました。

今回は妊婦さんの参加が約9割ということもあり、出産後すぐに実践できる抱っこの方法を3つを主にご紹介しました。

赤ちゃんのお世話の中で最も多い時間が「抱っこ」。授乳やおむつ替えなど、日々のお世話にも欠かせない基本の動作です。

1つ目は「首すわり前の抱っこ」
新生児のうちは、首がすわっていないため、手のひらでしっかりと首を支えることが重要です。寝ている赤ちゃんを抱き上げるときや、ベッドに降ろすときも、首を安定させながら動作を行うことがポイントです。

2つ目は、「丸く抱く」方法
赤ちゃんを前向きにし、膝の下で手を組みながら、背中を丸く包み込むように抱っこします。こうすることで赤ちゃんの気持ちが安定し、眠りにもつきやすくなります。

3つ目は「腱鞘炎を予防する抱っこ」
慣れない育児や産後のホルモンバランスの影響で、手首に負担がかかりやすく、腱鞘炎になるケースも多く見られます。
そこで今回は、「古武術の知恵」を取り入れた手の使い方もレクチャーしました。
手のひらを上にして抱っこすると内側の筋肉を使うため疲れやすくなりますが、手のひらを下にし、腕全体で支えることで外側の筋肉が働き、腱鞘炎の予防になります。これは、外側の筋肉の方が強いため、負担を分散できるからです。

実際に一つ一つの方法を参加者の皆さんと一緒に練習しながら、産後の生活をより具体的にイメージしていただける時間となりました。

マタニティブルーと産後クライシス

後半は、黒部市民病院 に勤務されている助産師 大角絵美先生による講義です。
テーマは「マタニティブルーと産後クライシス」。女性の心身の変化を軸に、産前産後に起こる身体的・精神的な変化について、わかりやすく解説いただきました。

女性ホルモンのバランスについては、建物の高さに例えての説明が印象的でした。
たとえば、排卵日前のホルモンの状態を「20階建てのマンション」とすると、出産時は「エベレスト」の高さに匹敵。出産後、そのホルモンが急降下することで、精神的に非常に不安定になりやすい状態になります。

そのような中で、授乳がうまくいかない・赤ちゃんが泣き止まない・睡眠不足が続く、といった状況が重なると、より一層情緒が不安定になってしまうのが「マタニティブルー」です。
これは出産後3日ごろから見られ、通常は1~2週間ほどで自然と回復します。
しかし、この変化を周囲が理解していないと、ママへの精神的サポートが不足してしまい、悪化すると「産後うつ」へと進行してしまうこともあります。

そうならないためにも、出産後は家族やパートナーによるサポートがとても重要です。
こうした理解不足が夫婦間のすれ違いを生み、「産後クライシス」につながってしまうことも少なくありません。

大角先生は、産後クライシスの大きな要因として「父親になること」と「母親になること」の違いを挙げられました。
価値観や育児の方向性を話し合う機会を持ち、日々の中で丁寧にコミュニケーションを重ねていくことの大切さをお話しいただきました。

講義の最後には、参加者からの質問タイムも設けました。
「出産を目前に不安な気持ちがある」「どんなサポートが喜ばれるのか知りたい」といった声に対し
大角先生からは、「立ち会い出産の際、パパが寄り添い声をかけたり、呼吸法をリードするなどのサポートがあると、ママにとってとても心強い存在になります。ぜひ“一緒に出産を乗り越える”という気持ちで関わってくださいね」と温かいメッセージが贈られました。

トヨタモビリティ富山 株式会社

ヨタモビリティ富山では、子育て世帯をサポートする取り組みとして、企業主導型保育事業「ウィズキッズしながわ」の運営や、男性の育児休暇取得率100%を目指すなど、多方面から子育て支援に力を入れています。

また、親子や子どもたちが楽しめるイベントの開催を通じて、地域の交流の場や、親子が気軽に足を運べる居場所づくりにも積極的に取り組まれています。こうした活動を通じて、地域全体の子育て環境の活性化にも大きく貢献されています。

開催の背景・目的

本取り組みは、2022年、コロナ禍により行政及び産院での両親学級が中止され、産後うつが増大したことを鑑み、産後うつや孤独な子育て、虐待の防止を目的とし、産婦人科医師、助産師、栄養士、鍼灸師など様々な専門家有志の協力のもと、富山県にてスタートいたしました。

これまでに全47回開催し、530組750名以上のママ・パパが参加し、参加者アンケートからは、99%以上の満足のお声を頂いています。
また、協賛企業の社員の方が両親学級に参加されるケースも増え、社内の子育て支援としての役割、育児休暇中にコミュニケーションをとるきっかけとして、活用していただけるようになりました。

4年目となる今年は、開催エリアを県外へと広げ、富山県、石川県、大阪府にて、協賛および後援企業45社、1県1府全16市町村の後援により、2025年3月から2026年2月までに全28回、計560組の親子を対象に開催いたします。
また、富山県では、切れ目ない子育て支援の実現のため、親子が継続して参加できる場として、1歳~12歳親子向けのイベントの開催と、県内の高校とのキャリア教育としての協働事業に発展させてまいります。

社会全体でこどもを育む機運の醸成のために、本取り組みが全国に広がっていくことを願います。

本プロジェクトの協賛企業・後援

特別協賛(プラチナサポーター)
トヨタモビリティ富山株式会社、明治安田生命保険相互会社 富山支社

協賛(ゴールドサポーター)
株式会社OKワールド、株式会社岡部、オダケホーム株式会社、有限会社ケアサポート・まき、医療法人社団 洸緑会、サニーライブホールディングス株式会社、立山科学株式会社、一般社団法人ばいにゃこ村、株式会社電陽社、北酸株式会社、マンパワーセキュリティ株式会社、株式会社源、株式会社ヨシケイ富山

協賛(シルバーサポーター)
いわさき鍼灸院・整骨院、NTT西日本 富山支店、へスタイル&メイクアップ COEUR、株式会社スギノマシン、クラデュース株式会社、株式会社富山銀行、日本海ガス株式会社、有限会社引網香月堂、株式会社フェイス・シマダ、北陸ポートサービス株式会社、株式会社ママスキー、山与株式会社、医療法人社団吉本レディースクリニック、Lepola

後援
富山県・射水市・魚津市・小矢部市・黒部市・高岡市・立山町・砺波市・富山市・滑川市・南砺市・氷見市・舟橋村・能登町
株式会社北日本新聞社・ケーブルテレビ富山株式会社・富山テレビ放送株式会社・チューリップテレビ株式会社・はっぴーママ富山版・株式会社ママスキー
(敬称略・あいうえお順)

会社概要

会社名:一般社団法人ボディセンス・インスティテュート
代表者:代表理事 高橋由紀
所在地:富山県富山市永楽町 2-7
URL:https://bodysence.jp
E-Mail:mail@bodysence.jp
事業内容:子育て支援者研修及びボディワーカー・ヨガインストラクター育成事業/講師派遣

本件に関するお問い合わせ

会社名:一般社団法人ボディセンス・インスティテュート
代表者:代表理事 高橋由紀
店名:Roots of Life(ルーツオブライフ)
所在地:富山県富山市黒瀬北町 2-1-2 D-BASE2 階
TEL:050-5356-7809

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