なぜヴィーガンを勧めるの?

人間は生きていくためには食べなければなりません。だからといって、何を食べてもいいというものではなく、体に必要なもの、良いものを食べることが望ましいでしょう。

ヨガをする人はヴィーガン(菜食主義)でないとダメなの?

ヨガをしている人(ヨギ・ヨギーニ)の多くは、菜食主義(ベジタリアン)であることが多いと感じたことはありますか?
なかには、動物倫理(生き物を殺して食べるのは残酷であるという考え方)からお肉を全く食べない、皮製品やダウンや羊毛製品なども一切身に着けないという人もいます。
または、体質的に肉食が合わない、魚介類にアレルギーがあるという場合もあります。
このようにヴィーガンを実践している人により、その理由は異なります。主な理由は3つ挙げられます。

  1. 倫理的な観点・宗教的理由
  2. 体質的な問題・アレルギーなど
  3. 環境への配慮

1や2の理由に関しては、個人の主観や宗教観、観念的な理由ですが、ヨガをする私たちは、自然や環境に配慮した食について考えてみましょう

 

肉は環境負荷の高い食材であるということを知ろう

お肉や乳製品の環境負荷と言えば、牛のゲップからメタンガスという温室効果ガスが多く排出されることは聞いたことがあると思います。実は、それだけではなく、その他多くの環境問題を引き起こしていることを知っていますか?

動物性食品が引き起こす環境問題

  1. 温室効果ガス
  2. 森林伐採
  3. 水・穀物の使用量過多
  4. 水質・土壌汚染
  5. 地球の土地(耕地)の25%を使用
  6. 抗生剤やホルモン剤の使用と、それによる健康被害

「肉」は、とても環境負荷が高く効率の低い、贅沢な食材です。
1kgのステーキの生産には、25kgの穀物が必要です。大量の穀物を必要とする畜産は、広大な農地の使用が必要となるため森林破壊や生態系破壊などの原因となります。
大豆の全生産量のうち、人が消費しているのは10%以下で、90%以上が家畜動物によって消費されています。
一部の裕福な人が、美味しい牛肉に舌鼓を打つ一方で、その家畜に与える穀物さえ食べることができずに、飢えでなくなっている人が、今も大勢いるということを忘れてはなりません。
机上の計算ではありますが、現在、世界中の人が消費する「肉」によって摂取する「タンパク質」を、「大豆」からとった場合、飢えで亡くなる人はいなくなるということもわかっています。

1980年から2000年にかけて約1億ヘクタールの熱帯雨林が失われその多くが牛の放牧や家畜の飼料などによるものでした。森林は炭素を吸収し蓄える役割があり、気候変動を止めるために、これ以上の森林破壊は非常に危険です。

国連報告書によれば地球上で、最も土地を使用しているのは工業型畜産であり、森林破壊の主要な原因です。お肉の生産は地球の陸地の26% なんと1/4を利用しています。

2050年に98億人の食糧を確保するには、2010年比で56%多くの食糧を生産しなくてはなりません。

現在のペースで、肉や乳製品の消費が進んだ場合、インドの国土の2倍に当たる森林を畑にする必要があると言われています。すでに野生動物たちの多くが生息地を破壊され、未来が脅かされている中でこれ以上の森林破壊は破滅的と言えます。

 

ゆるベジ・ゆるマクロ

食事を変えようとするときに、急激に変化を求めすぎたり、極端なこだわりをもつことで、継続は難しくなったり、周囲との調和が保たれなくこともあるでしょう。
また成長期にある子どもと、成人した大人、高齢者、女性、男性、ひいては、個人により、体質や体調、季節や環境により、必要とする栄養素は異なります。
ここでは、完全なるヴィーガンを志すという選択ではなく、自分に合った食事法を自身で見つけられるように、そのガイドとなるであろう基準をお伝えします。

  • 歯の数からみる食事の適切なバランス
    歯は、その動物の摂る必要な食により、その数や形状が違っている。
    野菜を食べる「うさぎ」は前歯が発達しているし、肉食の「ライオン」は、犬歯が発達している
    人間の歯の数/肉・魚:野菜:穀物=4本:8本:16本(計28本のうち)
    つまり、肉や魚の倍、野菜を摂り、その倍、穀類を摂るのが適切なバランスであるということ
  • 自分の能力で採れる食材を食べる
    ねんねの頃の赤ちゃんには、おっぱいが必要な栄養を含む完全食、ハイハイができるようになったら、売れた果実や木の実、つかまり立ちができるころには、低い樹になる野菜や米、歩けるようになれば、小さな動物や魚、大きな獲物を捕まえられるように成長したら、大きな動物や魚が食べられるようになるという考え。
    そして、そのバランスが取れている方が、その時期の発達過程において必要な栄養源となる
  • 「まごはやさしい」が食育の基本
    ま:豆類
    ご:ごまなどの種子
    は:わかめなどの海藻類
    や:野菜
    さ:魚(体の小さな魚が良い)
    し:椎茸などのキノコ類
    い:芋類
    肉や米、小麦などは入っていない
  • 地産地消・身土不二
    自分の住む土地でとれた旬のものをいただく
  • 一物全体
    食物をまるごといただく、食材を無駄にしない、食べ合わせの工夫
  • 「精製された食べもの」を避ける
    白い食べもの、白砂糖、白米、小麦粉などを摂らないようにする

 


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著者:高橋由紀 Yuki Takahashi

株式会社ベビーヨガアソシエイトCEO・一般社団法人ボディセンス・インスティテュート代表理事。
1995年、自身の体質改善のためヨガを始め、病を克服。ヨガ指導歴20年以上。3児の母。日本におけるベビーヨガの第一人者として活躍。

現在は、Baby Yoga®、骨盤調整ヨガ®、RODY YOGA®などを始めとする赤ちゃんからシニアまでの各種ヨガプログラムの指導者育成を行う。2008年より現在までに、海外を含む日本全国に1,000人以上のヨガ指導者を育成。大学や研究機関との研究活動のほか、全国での講演活動、書籍やDVDの出版、メディア出演など多数。

 

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